鴨たちは、最近よく水から石の上にあがり、飛ぶ練習をしています。
もうじきシベリアの方に飛び立っていくのでしょうか。
今回は鮑照(412 ?-466年)の「代放歌行」"放歌行に代う(なぞらう)"からです。
蓼蟲避葵菫 (りょうちゅうは ききんをさけ、)
習苦不言非 (にがきにならって ひをいわず。)
次に
小人自齷齪 (しょうじんは みずからあくさくたり、)
安知曠士懐 (いずくんぞ こうしのこころしらんや。)
"蓼食う虫は美味なアオイやセリを避けて、苦い菜ばかり食って文句も言わぬ。それと同様に、自分の狭い世界の中でこせこせしているつまらぬ人間に、度量の大きい人物の心が分かるわけがない。"という意味だそうです。
先日公園で会った方は、今年91歳になられるということです。
背筋もしゃんとして、歩くのも早く、かくしゃくとしています。少し耳が遠いと言っていましたが、会話には支障を感じません。
「少し腰掛けて話しましょうよ。」ということで、近くの大きな石に腰掛けました。
彼女はひとしきり家族のことや世間話しをしてから「人生はとにかく我慢よ!。」と言います。
「10年前に医者から、"心臓が弱っているから、ペースメーカーを埋め込んだほうがいいよ。" と言われたんだけど、もう歳だし手術するのは嫌だし、放ってあるのよ。でも最近むくむのよね〜。」
と言いながら、靴下を脱いで足を見せてくれます。
始めてあった人のナマ足を見るのは、こちらの方が少し照れますが、そんな事は気にも留めないようです。
足は、確かにむくんでいるし、爪には栄養が届かず小さくなっています。うっ血もしていて、すぐにでも病院に行って診てもらったほうがいいと思いましたが‥‥黙っていました。
彼女は、何か意見を求めているわけでもないようなのです。
きっと、多くの事をちゃんと自分で決めてきた人なんだろうな〜。
だからいろんな人とぶつかり、我慢も多かったのでしょうね。
私は、"人生はとにかく我慢よ! " という意見には同調し兼ねますが‥‥ 。
少しできることは、何か「ん?」と思うときは、答えを出す前に、("臨場"というドラマの主人公のように) 心の中で、「俺(私)のとは違うな〜。」と思ってみることにしています。
それからゆっくり考えるのです。
人を理解するのはなかなか難しい事です。
ただ、人の話を聞くことは楽しいことですし、少しだけ苦味も分かるようになりました。
最近、療養記からほど遠い内容になってきていますが、入院中ではない療養は、様々な生活の中でなされているんだなぁと考えてくださいね (^^;) 。