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ソラマメの窓

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[兩人對酌山花開 一杯一杯復一杯]

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桜は、もう葉桜になり、公園では、いつの間にかどんどん色々な花が咲いていきます。

今回は、李白の「山中與幽人對酌」(さんちゅうにて ゆうじんとたいしゃくす)です。
山中での生活の気ままな楽しみをうたっています。

兩人對酌山花開(りょうにん たいしゃくすれば さんかひらく、)
一杯一杯復一杯(いっぱい いっぱい またいっぱい。)
そのあとに、
我醉欲眠卿且去(われようてねむらんとほっす きみしばらくされ、)
明朝有意抱琴來(みょうちょう いあらば きんをいだいてきたれ。)

"二人で酒を酌みかわす傍らには山の花が咲いている。一杯、一杯、さらにまた一杯。おれは酔って眠くなった。きみはひとまず帰ってくれ。明朝、気が向いたら、琴を抱えておいでよ。"
という意味だそうです。

父は53歳に膵臓癌で亡くなりました。お酒に弱く、ビールをコップ一杯飲んだだけで赤くなり、すぐ横になって寝てしまいます。でも、飲む席は嫌いじゃなく「一杯、一杯また一杯か〜」と言っていたので、そこだけは覚えてます。
それに、「お前は、酒が強い所は俺に似ていないな。」とよく言われていました。
あの言葉は、この漢詩からとっていたのですね。
大好きな父でした。


話は変わりますが、以前、早朝覚醒や考えのまとまりのなさなどの症状が頻繁に出て、心が危ないかも‥‥と思ったことがありました。
その時に
"自分の前に物差しをイメージして置き、相対する人によっては、1m、60cm、30cm、20cmと、それぞれ違った距離をとって会話すると心が楽になる。"
と、どこかで聞いたことがあったので、やってみました。
心は脳なので、長年の考え方や、物の捉え方のくせがあり、初めの頃はなかなか上手くいきませんでしたが、何度も試して見るうちに、少し気持ちが楽になっていきました。
確かに、全ての人に対して、同じ近い距離に気持ちを置いて対応するのは疲れますよね。

李白のように、知人に
「眠くなったから私は寝る、あなたはもう帰ってくれ。明日、もし気が向いたら、琴を持って遊びにきてくれ。」
と言える、この絶妙な距離間には、つくずく感心させられます。

by no-shukkettsu | 2017-04-21 17:21 | Comments(0)